しまだより

2022.01.23
ライフ

1年のはじまり 焚き火とともに無病息災を願って

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佐渡では古くから伝わる風習や文化が今もなお続いています。

毎年、旧正月に行われるのが「とうど」「どんどん焼き」と呼ばれる行事です。

新潟では「さいのかみ」、関西では「左義長」と呼ばれています。

佐渡では基本的に1月15日に行われますが、地域によってはその前の週末に行うところもあるようです。

 

松などの燃えやすい木を藁などで束ね、お正月に飾ったしめ飾りや、去年1年間使われたしめ縄や紙垂など、地域の神社行事で使われたものが火にくべられます。

幟を立てるなど、さまざまな飾り付けをする地域もあるようです。

私の住む地域で行われるのは「とうど」で、小さな地域ごと(神社の氏子の集まりごと)に行われるので、同じ地区内でもあちこちでとうどの火が焚かれ、山の間から煙が上ります。


いわゆる焚き火や野焼きは禁止されていますが、とうどは古くから続けられている集落の無病息災を

願う宗教行事にあたり、特別に許可されています。

もちろん消火や安全には十分配慮のうえ行なっていて、場所も周囲に引火しにくい田んぼの畦や、

川や海の近くで行われます。参加者の中に地域の消防団員がいることも少なくありません。

まず都会では目にすることのないダイナミックな火の勢いに、驚かれる通りがかりの方もいるかも知れません。

 

とうどではお神酒がふるまわれ、中にはスルメや魚を持参して火で炙って肴にする人もいるとか。

燃えて炭になった木や竹は持ち帰り、家のすみに立てかけると厄除けになるとされています。

ちなみに北欧では、真夏の夏至の日(ユハンヌス)に、とうどと同じような篝り火(フィンランドでは「コッコ」と呼ばれます)が焚かれるそうです。

フィンランドのコッコでは、古くなった木の舟を燃やすとか。

 

冬至が過ぎて旧正月が終わると、あとは新年の春を迎えるだけ。

寒さや雪はもう少し続きますが、佐渡の人にとってとうどは1年の始まりと折ふしを祝い、

春を迎える大事な風習です。

 

※地域ごとに場所や日時は異なります。

大きなとうど・どんどん焼きは通りすがりで立ち寄って見学する方も多いです。


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佐渡の山奥でコーヒー焙煎所オケサドコーヒーをやっています。焙煎所お隣の里山カフェ山里で週末にコーヒーを淹れています。

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